2017年夏に、福島。

「お客さん、あれが福島第一原発ですよ。」
福島県浪江町から南下する際、
常磐線通行止め区間をタクシーで移動した、
送電線の先に大きなクレーンが何台も動いている。
復旧の大動脈、国道6号線は原発関係者及び除染作業の車で意外と通行量が多い。
「ほら見えてるアレがそうです。この辺りは外は歩くことができないけれど、今は車なら通れます。
少し前まで空間線量高かったから、通る時は気持ちスピード上げてました。」
と、4年間除染作業員として働いていたという運転手さんは僕より少し年上だろう齢、
線量計算の方法と日々現場でかかる経費のことを、淡々と話してた。
特別なことでは無い様子、彼にとっては毎日のことなのだろう。
「こんなに近くに見えるんですね〜」
と僕は平然を装っていたけど、こんなに近くで見えるとは思っていなかったことに、
とても驚いた。
核心部では数秒で痛みも感じないうちに死ぬくらいの放射線量を今でも発し続けている。
6年経っても未だ解決の方法さえ定まらない極めて厄介な代物を、
僕はこの目で見ている、
福島県では天気予報の最後に「本日の空間線量」というニュースがTVで流れている。
同じ日本の中で僕が生活している場所とは全く異なる、
来ないと分からない、
驚きの日常がそこにはあった。
(これがずっと続く日常にならないことを切に願うし、もうこんな場所が増えて欲しくない)
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